たとえ誰かを傷つけても
精神的なもののせいか、昨日からの寝不足がたたったのか・・・はたまた風邪か・・・
その日の俺の体調は最悪だった。

遊園地の乗り物もパスして、みんなのお世話やきに徹していた。
夕飯にファミレスに行ったが、食欲はなく・・・かといってみんなに心配かけちゃいけないと、どうにか胃の中に押し込んだ。

本当はそれで帰りたかったけど、まだまだ盛りあがり気分のみんなをおいていけずカラオケに行った。

席に着きみんなの歌を聴きながら、オレンジジュースを飲んでいたら、突然気分が無茶苦茶悪くなった。
胸の辺りがむかむかする・・・

目の端にりーちゃんや他の女の子に囲まれ笑っている柊真がうつった。
俺はみんなに気づかれないようにそっとその部屋を抜け出した。

外に出ると一目散にトイレに向かった。
そして、胃の中のものを全部吐き出した。
とにかく苦しい。こんなの中学生の時、家族旅行で船酔いした時以来じゃなかったっけ・・・?

俺はかすかにそんなことを思いながら、何度もえづいていた。


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