たとえ誰かを傷つけても
封印
「にいちゃん! 水くさいじゃんー 用事があるんなら俺にぐらいはそういっといてよ!」
月曜の朝、校門でばったり会った柊真が口をとがらせて言ってきた。
「あ、あぁ?」
突然でなんのことかわからず、俺はぽかんとして柊真を見た。
「途中でかえっちまうから、あの後もりあがらなくって早々に解散しちまったんだぜ!」
俺の頭に土曜日のことが思い浮かんだ。
「あ、ああ、悪い。言おうと思ったんだけど。結構盛り上がってたからま、いいっかって思って黙ってかえっちまった。」
「りーちゃんがそう言ってたよ。帰ろうとする八神君見かけたって・・・」
俺は一瞬ぎくっとしたが笑ってごまかした。
「別に俺がいなくたって、どうって事ないだろーが。お前がいるんだから」
「なにいってんの。名幹事のにいちゃんがいないとどうも統制とれなくってさーやっぱ偉大だね、八神君ってさ。」
真っ直ぐに俺の目を見て話してくる柊真に、なんかくすぐったいような気持ちを感じながら俺は照れ隠しに聞いた。
「悪かったって。でも・・・その、りーちゃんとはうまくいってたじゃん」
「おお!」
柊真の顔がぱっと明るくなった。
「そうそう。プライベートの彼女もいいよなー俺、ますますりーちゃんのこと好きになったわ!」
あ・・・そう。そうなの・・・
くったくなく笑う柊真と対照的に心の中に黒雲が広がっていく。
そんな俺の気持ちも知らずに脳天気に柊真がいった。
「八神君、誰か気に入った子いねえの? 土曜日来てた女子達も結構レベル高かったのに。由里子にかすみ、ルミに葉子・・・みんないい子だよ。」
「いいよ・・・」
俺はうんざりしたように首を振った。
「なんでー?」
「女といるより、お前といる方がよっぽど楽しいよ・・・」
「えっ、えっ? ちょっと待った」
柊真は慌てたように俺の肩をつかんだ。
「俺に惚れても無駄だよー 第一その気は全然ないし」
「バーカ」
なんかもう笑うしかなかった。からみついてくる柊真を足蹴にしながら俺は学校へと向かった。
月曜の朝、校門でばったり会った柊真が口をとがらせて言ってきた。
「あ、あぁ?」
突然でなんのことかわからず、俺はぽかんとして柊真を見た。
「途中でかえっちまうから、あの後もりあがらなくって早々に解散しちまったんだぜ!」
俺の頭に土曜日のことが思い浮かんだ。
「あ、ああ、悪い。言おうと思ったんだけど。結構盛り上がってたからま、いいっかって思って黙ってかえっちまった。」
「りーちゃんがそう言ってたよ。帰ろうとする八神君見かけたって・・・」
俺は一瞬ぎくっとしたが笑ってごまかした。
「別に俺がいなくたって、どうって事ないだろーが。お前がいるんだから」
「なにいってんの。名幹事のにいちゃんがいないとどうも統制とれなくってさーやっぱ偉大だね、八神君ってさ。」
真っ直ぐに俺の目を見て話してくる柊真に、なんかくすぐったいような気持ちを感じながら俺は照れ隠しに聞いた。
「悪かったって。でも・・・その、りーちゃんとはうまくいってたじゃん」
「おお!」
柊真の顔がぱっと明るくなった。
「そうそう。プライベートの彼女もいいよなー俺、ますますりーちゃんのこと好きになったわ!」
あ・・・そう。そうなの・・・
くったくなく笑う柊真と対照的に心の中に黒雲が広がっていく。
そんな俺の気持ちも知らずに脳天気に柊真がいった。
「八神君、誰か気に入った子いねえの? 土曜日来てた女子達も結構レベル高かったのに。由里子にかすみ、ルミに葉子・・・みんないい子だよ。」
「いいよ・・・」
俺はうんざりしたように首を振った。
「なんでー?」
「女といるより、お前といる方がよっぽど楽しいよ・・・」
「えっ、えっ? ちょっと待った」
柊真は慌てたように俺の肩をつかんだ。
「俺に惚れても無駄だよー 第一その気は全然ないし」
「バーカ」
なんかもう笑うしかなかった。からみついてくる柊真を足蹴にしながら俺は学校へと向かった。