たとえ誰かを傷つけても

「あのね・・・お願いがあるんだけど・・・」

「・・・うん・・・」

りーちゃんは一呼吸おくと一気に言った。

「瀬川君のメールアドレス教えてくれない？」

「・・・・・・」






そうだよな・・・わかってたさそんなこと・・・








「あのね・・・」

「あのさぁ・・・」

何か言いかけるりーちゃんを俺は強引に遮った。
りーちゃんへの思いは封印するんだ・・・

「今のセリフ直接柊真に言いなよ・・・」


封印・・・封印・・・


「あいつさ、中谷のこと好きだって言ってたから・・・」

「えっ？」

「土曜日の事もさ、りーちゃんとどっか行きたいからって柊真に頼まれて・・・本当は二人の仲を取り持つために計画したことだったんだ。だから、直接言ったら柊真喜ぶよ。」

一気に言い終わった後、俺はしばらくりーちゃんの顔が見れなかった。
彼女はどんな顔をしているだろう・・・
嬉しくてたまらないように目を一杯見開いて、少し頬を紅潮させて、そんな目で俺を見ているんだろうか・・・
なんかたまらない・・・