たとえ誰かを傷つけても

でも、しばらくしてもりーちゃんからの反応はなかった。

俺はそろそろと視線をりーちゃんのアイスティーに移した。
そして、そのコップを持つりーちゃんの手に・・・そしてストローに・・・
それからやっとりーちゃんの顔に・・・

彼女は俺が想像していたような顔はしていなかった。
それよりも何か戸惑ったような表情を浮かべて俺の顔をじっと見つめていた。
俺達は数秒間見つめ合っていた。が、最初に目をそらしたのはりーちゃんだった。

「そっか・・・わかった」

りーちゃんはそう言うとおもむろに立ち上がった。
そしてアイスティー代をテーブルの上に置くと、そのまま何も言わずに店を出ていってしまった。
俺は急に脱力感を感じて椅子にへたり込んだ。

なんだったんだろう? あのりーちゃんのリアクションは・・・
りーちゃん思ってたより照れ屋なのかな? 

あーでももうどうでもイイや。
俺は無事に柊真とりーちゃんの橋渡しをしたんだ。
俺の役目は終わり・・・

こんな時煙草でも吸って酒でも飲めたらカッコもつくんだろうけどな・・・
俺ってまだまだ子ども・・・


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