たとえ誰かを傷つけても
そして、その日の放課後だった。
半日で学校が終わり俺と柊真は二人ならんで校門に向かい歩いていた。
と、いきなり柊真が俺の肩に手をかけ耳元にささやいてきた。

「でさ、第二段の計画は?」

「あん? なに?」

「あーだから、りーちゃんゲット大作戦の第二段だよ!」

俺はぎくっとした・・・
この調子じゃ今日もりーちゃんからの告白はなかったらしい・・・

「やっぱ、学校で会うよりプライベートの方が話しやすいよなーまだ二人でデートっちゅー気分にもなれないし・・・どう?八神君誰か女の子誘ってダブルってーのは」

「・・・・・」

俺はなんと言っていいのか分からない。
ここで俺がたった一言言えば柊真の片思いは終わるんだ・・・でも、言えない・・
狡い奴だ、俺って本当に・・・


「おーい! しかとすんなよ!」

「別にそう言うわけじゃ・・・」




「どういうことよ!」

口ごもった俺の耳に、いきなり甲高い女の声が突き刺さった。
俺と柊真は顔を見合わせた。
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