たとえ誰かを傷つけても
「もう何日経つの? だから私が直接瀬川君に言うっていってるでしょ!」

「待ってよ・・・それは・・・」

俺は思わず硬直した。
あの甲高い声に答えている・・・その声は紛れもなくりーちゃんだ。
俺達はそっと声のする裏庭を覗いてみた。
そこには同じクラスの香山ルミと、りーちゃんがいて何か言い争っていた。

「待ってって一体なにを・・・いつまでまてばいいのよ? りーちゃん、あんたに瀬川君のメアド聞いてくれるように頼んだの月曜日よ?」

「そうだけど・・・」

(えっ?)

俺の心臓が跳ね上がった・・・なんだ・・・これ?

「りーちゃん、八神君に聞いてみるって言ってたじゃない。二人仲いいからきっと教えてくれるからって・・・」

(うわっ!)

俺の後で柊真がつばを飲み込む音がする・・・

これって・・・すごくやばくねぇ? 
でも俺は動けない・・・
後から柊真の視線が痛いほどに突き刺さる・・・
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