たとえ誰かを傷つけても
りーちゃんは空を見上げた。

「なんだかなー時々いやになっちゃう。こんな性格・・・人のためにって思ってやってることが全部裏目になっちゃって・・・」

分かるよ・・・俺も同じ思い何回したか・・・

「自分の好きな人にまで誤解されて・・・馬鹿みたい・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」




りーちゃんはハッとしたように口をつぐんだ。
自分の好きな人・・・? 
今そう言わなかったっけ? 
それって・・もしかして・・・


りーちゃんはおそるおそる視線を俺に移した。
俺達二人とも視線を外すことが出来なかった。

りーちゃんは初めはこの前のように戸惑ったような目をしていたが、段々瞳の中に決心が固められていくようだった。
そして、一度目をつぶり開けると俺を真っ直ぐに見て言った。


「私・・・八神君のことが好きなの」
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