たとえ誰かを傷つけても
「マジなんだ」
急に声のトーンが変わった柊真に俺は少なからずドキッとした。そしておそるおそる奴の顔を見ると柊真は初めて見た様な真剣な顔をしていた。
「マジなんだよ」
柊真はゆっくり二回繰り返した。
「・・・・・・」
「確かに八神君の言うとおりさ、遊びなら楽なんだろうけど・・・りーちゃんの前じゃ何も言えなくなっちまうんだ。こんな気持ち俺初めてでさ・・・自分でもどうしちゃったのかと思うんだけど・・・」
「柊真・・・」
「頼む、にいちゃん!」
柊真はジュースを投げ出し俺に両手を合わせた。
「お、おい・・・」
「俺とりーちゃんとの仲取り持ってくれー」
「・・・・・」
親友にここまで言われちゃしょうがない・・・俺は返す言葉もなくうなずいていた。