あまのじゃくな彼女【完】
澤田 由梨とは大学からの付き合いだ。
その頃から言い寄る男を適当にあしらってきたせいか、女子に敬遠されていた。
それでも地元の友達とは付き合いがあったし、家の手伝いにバイト。それなりに充実していた。
その日も、真ん中程の席で講義を受けていた。
真面目にしてても眠いもんは眠い。
うとうとしながら、どうにかノートをとる。
後ろの集団がきゃっきゃとうるさくイラつくが、おかげで眠気も覚めてきた。
「吉村さん・・・だよね?」
「え?そうだけど」
集団の女子が1人、声をかけてきた。
「ねぇ出席票だしといてくれない?うちらの」
は?
「眠いし意味分かんないから抜けよって。吉村さん、いつも最後までいるでしょ?
ついでじゃん、お願い。」
ポカーンとかたまる私に、そう続けた。