あまのじゃくな彼女【完】

ちゃんと否定すればよかったのだろうか。そうすれば
このもやもやとした気持ちにも踏ん切りがついたのかもしれない。
だけど何でか出来なかったんだ。

うまく割り切れない自分に嫌気がさす。
仕事にこんなの持ち込んじゃダメなのに。


パンっと両手で頬をたたき、自分に気合を入れた時だった。


「もしかして・・・芽衣子?」


名前を呼ばれた方にふと視線をやると、黒髪の短髪におしゃれな黒縁メガネを合わせた男性がこちらを見ていた。

シンプルなシャツにスキニ―パンツ、足元はデッキシューズと今時な恰好。その辺の企業じゃ許されないおしゃれな恰好も、こういった現場では全く違和感ない。

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