あまのじゃくな彼女【完】


森枝とは高校の同じクラスだった。

クラスで仲良くしていた中の1人。バレー部だった森枝とは、部活後によく一緒に帰ったり、お互いの大会に応援に行ったり一緒に居て気楽な男友達だった。

そんな中、森枝からの告白。



「吉村と居ると気楽だし楽しい。俺達付きおうよ」

それまで恋愛に積極的ではなかった私も、森枝とならやっていける気がしてOKした。

彼氏彼女っていうのが当時の私にはすごく恥ずかしかったけど、私なりに努力したつもりだった。
呼び方を変えてみたり、髪型にも気を付けたり。
でも森枝が求める「彼女」にはなれなくて、結局ダメになっちゃったけど。


初めての彼氏。青春の思い出って懐かしむ所だけど、正直思い出したくもない。



俯いたまま深いため息を落とす。

あぁ・・・余計に気合い入れなきゃいけなくなっちゃった。


さっきより強めに頬を叩く。
カバンの中を荒っぽく探ると企画書類に無理矢理意識を持っていくことにした。


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