あまのじゃくな彼女【完】
3 :
いくつものライトがあちこちから照りつけ、中央のグラスとペットボトルを照らす。
舞原さんの指示で微妙にボトルの角度やレフ板を変え、ライトの色相を調整してはカメラを覗く。その地道な作業をひたすら繰り返していた。
「ちょっとーめぇちゃん見てちょうだい!」
いかつい顔で眉間にシワを寄せながら、舞原さんが大声で呼んだ。
「ねーえ、こっちとこっちどっちが良いと思う?」
モニターの画面にずらっと撮影データを並べ、私の方へと向ける。
「うーん、こちらの赤みがかった光も温かみがあっていいですよね。でも今回の“昔ながらの中に・・・”っていうと」
「そうなのよ。ちょっと近代的過ぎるわ」
次々と画像を見比べる舞原さんに並び、一緒に首を捻る。
「いっそ混ぜちゃいますか。1色じゃなくって、多方面からいくつか当ててボトルの所で新たな色になる!みたいな・・・って伝わります?」
「そうねぇ、それ考えたけどうまい色思い付かないのよ。森枝!色見本持ってきて。めぇちゃん、気になる組み合わせ教えてちょうだい」