あまのじゃくな彼女【完】
ふぅ・・・
積み上げた書類の山をようやく片づける頃には22時を過ぎていた。
月末の忙しい時期とは言え、終電が近い時間残っている人間はほとんどいない。
ざっとオフィスを見渡しても、デスクについている人はいなかった。
誰とも帰宅の挨拶をした記憶が無い。
また集中しすぎたなぁ・・・と気を抜くと、ぐぅと空腹が主張し始めた。
「とりあえずコーヒー飲んで帰るか」
のそのそと給湯室へ向かい、出がらしのコーヒーを注ぐ。
「・・・ほぉっ・・・」
出がらしの渋いだけのコーヒーを、砂糖でごまかす。
これでどうにか、自宅まではおなかも持つだろう。