あまのじゃくな彼女【完】


「この調子でいけば現場撮影も充実するでしょうね。またよろしくお願いします」

「はい、こちらこそ!!」

はい!はい!と次から次、お手本のように返事するアシスタント達。
穏やかにねぎらう係長に拍子抜けしたようで、その声から安堵した様子がうかがえた。


「まぁ・・・」

ふっ、と鼻で笑う係長。




「現場撮影にここにいるみなさんが呼ばれるとは思いませんけどね」




突然の毒にその場が凍るようにシンと静まりかえった。


「あぁ、舞原さんがみなさんを探していましたよ。さっさとスタジオに戻られてはどうです?」


「えっ、やばっ」

係長の言葉にようやく我に返ったアシスタント達は、どたばたと慌てて部屋を出て行った。

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