あまのじゃくな彼女【完】
ゆっくりと首を振りそれに答えると、意を決して口を開いた。
「酔っ払いね・・・のしちゃったの、私が。その日、雨降った後で傘持ってたから」
私の告白に固まるシュンちゃん。頭を抱えると、そのまま深くうなだれてしまった。
「お前・・・そら、あいつの立場ってもんがなぁ・・・」
「うん、男のメンツをつぶしちゃったと思う。でも・・・じゃあ私どうすればよかったの?我慢できなかったんだもん。それで“可愛くない”ってフラれるし。それから女らしくしようって気を付けたけど、誰と付き合っても結局『可愛くない・素直じゃない・見た目だけ』、いつも同じ事言われる。そんなのばっかりで誰と付き合っても窮屈なだけだった」
話しきったところで一息つき、ずびっと鼻をすする。こぼれそうになってた涙は話の勢いと一緒に引っ込んでいた。
「自分が変わらなきゃいけないってのはわかるの。でも“可愛くない”って言われるたびに、私ってダメなんだって言われてるがする。可愛い自分を作らなきゃ、私は誰とも付き合っちゃいけないんだ・・・って」