あまのじゃくな彼女【完】
勢いに任せて吐き出すと急に我に返った。
「あ・・・ごめんねシュンちゃん、じゃなかった係長。しょうもない話してすみませんでした」
何を1人でべらべらと話してるのよ・・・。
シュンちゃんはただ上司として部下を助けてくれただけじゃない。
急に思い立ったように立ち上がるとスーツをはたき、両手で頬に触れた。きっと涙目だけど零れてはいない、メイクは無事なはずだ。
いくら撮影が終わったとはいえ、長時間不在にするのは不味いだろう。急いでスタジオに戻らないと。
部屋を出ようと扉に手をかけると、それを阻止するように反対の腕をぐいっと元居た方へと引っ張られた。
「何、勝手に終わらせてんだよ」
引かれた方を見れば、さっきよりよっぽど不機嫌そうな顔をしたシュンちゃん。
「違うだろ、めいは何も悪くねぇだろ」