あまのじゃくな彼女【完】
ほっと一息つきつつ、ぼんやり考える。
由梨、翔さんとの待ち合わせ間に合ったかなぁ。
翔さんは私たちの2つ年上で、由梨とは大学生の頃からの付き合いだ。
調理師として近所のイタリアンレストランに勤務している。
翔さんの料理はどれも絶品で、家にお邪魔する時はいつもご馳走してくれる。
その上、私のセクハラ撃退話やら、チカンを傘でのしちゃった武勇伝も、嫌な顔ひとつせず聞いてくれる"優しいお兄ちゃん"みたいな人だ。
大切な2人が、晴れて結婚する。
誰より幸せになって欲しい。
それと同時に、おいてけぼり・・・のような少し寂しい気持ち。
どちらも本心だった。