あまのじゃくな彼女【完】
6* 襲来
1 :
近くのカフェでちょっと豪華なランチを囲む昼休み。
撮影第一弾を終えてひと段落、って所でこれくらいの贅沢は許されるはずだ。
「えぇーなんですソイツ、芽衣子さんには悪いですけど別れて正解です」
「そうよ芽衣子、あんなバカ男に人生決められたんじゃもったいないわ!」
苛立ちをフォークにぶつけながらサラダをほおばる千葉さん。厳しい表情でぶつぶつ悪態をつく由梨。
いつかのデジャヴだな・・・と思わず苦笑した。
「ちょっと、何笑ってるのよ。こっちは心配して言ってるのに」
「ごめんごめん、でももう大丈夫だから」
大学からの付き合いの由梨には、これまでの散々な恋愛を見守ってもらってきた。その中でトラウマともいえる森枝の話ももちろんしてきたわけで。千葉さんにもざっくりと、「過去の最低男」だと説明した。