あまのじゃくな彼女【完】
最近ではすっかり恒例になった3人での集まり。
事の始まりは「係長とはどうだったの?」と物撮りの日の事を探る2人に、「森枝が居た」という見当はずれな返答をしてしまったからだ。
だってあの日何よりも衝撃的だったんだもの。スタジオに戻った後、係長を見るなり顔が引きつる森枝の情けなさったら。
おどおどする森枝を思い出してフッと笑いがこぼれる。本当に私は見る目が無かったみたい。
「森枝に会ったわりには芽衣子、やけにスッキリした顔してるじゃない」
「あ、わかりました。先輩の事だから一発殴ってやったとか・・・って、痛ぁ!」
「コラ。いくらなんでも職場でいきなり殴るなんてしないわよ」
とんでもない事を言う千葉さんの額をビシッとはじいてやった。
「また古民家での撮影でも会うんでしょ?大丈夫なの?」
「うん、多分ね。なんか久々会ってスッキリできたし、大丈夫」
係長の予言が当たらない限り、おそらく現場撮影でも森枝には会うだろう。そしてあの不愉快なアシスタント達にも。