あまのじゃくな彼女【完】
2 :
裏口を出ると冷たい空気が火照った顔をほどよく冷やしてくれる。
警備室の脇にある補助灯がぼんやり人影を照らしていた。
「何でおれがそんな事しなきゃいけないんだよ。仕事だろうが」
片手を胸元で組んだまま、シュンちゃんはだるそうに携帯を耳元にあてている。
「あぁ!?お前、んあぁ・・・もう分かったよ。はいはい、じゃな」
乱暴に携帯をタッチすると、呆れるようにため息を落とした。
「あ、悪い。仕事の電話してた」
「ううん、私こそごめんね付き合わせて」
こんな時間に仕事の電話?仕事の電話にしてはいやに砕けていたし、仕事モードじゃなかった気がしたけど。
珍しい事もあるもんだなぁ、と何だかひっかかりつつ。暗闇の中先を急ぐことにした。