あまのじゃくな彼女【完】


「あっちの通りまでいけばタクシーいるだろ。少し歩くぞ」

「はーい」

深夜ともなるとすっかり肌寒い。火照った顔は別として、冷えきった両手をこすり合わせているとぼんやり自販機の灯りが見えた。

「シュンちゃんも何か飲む?お礼」

「おう。じゃあコーヒーブラック」

ほい、とシュンちゃんに渡すと自分用にも買う。そのぬくもりにすがるように、顔や頬にぴたっとボトルを当てた。


「めい・・・こないだもそれ飲んでなかったか?」

「あぁコレ?昔からのお気に入りなの。これで入社決めちゃったぐらい」

ふへへと笑いシュンちゃんにずいっと見せつけたのは、私の定番のストレートティーだった。昔からあるこの紅茶、パッケージは何度となくリニューアルされてきたけれど、小鳥が花を咥えたシンボルマークは変わらない。

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