あまのじゃくな彼女【完】
ふと、大切な任務を思い出した。
「そういえばシュンちゃん、山下さんの家って知ってる?」
「山下ん家?・・・何で?」
「え、いやぁ・・・えっとご飯でも作りに行こうかと」
「・・・めい、作れんの?」
「違っ、私じゃないよ、千葉さん!」
ヤバい。もっとさりげなく聞くつもりが、どストレートに聞いてしまった・・・。
どうせ私の嘘はばれちゃうとはいえ、うっかり千葉さんって答えちゃったし。
内心焦る私をよそに、シュンちゃんは月を見上げて俊順している。
「お前は・・・いいのか、それで」
「いやそら無理矢理な作戦だしどうかなぁ・・・とは思うけど、山下さん鈍感だし。それくらい必要なのかと」
「・・・わかった。お前がいいなら俺から千葉に教えとく」
何で今じゃないの?と不思議になりつつも、とりあえず教えてくれるならいっか。
有無を言わせない雰囲気にも私は頷くしかなくて。ひとまず帰路を急いだ。