あまのじゃくな彼女【完】


案の定、「男は弱かった時がチャンス!」と二人に熱弁されるのを適当にかわしたものの。

「シュンちゃん熱出たらしいじゃないの!あんた夜中につれ回した分、お詫びに看病してきなさい!」
というお母さん命令には逆らえず、1人マンションのエントランスに立っていた。

山下さん同様、係長の家を社内の誰も知らず由梨達は悔しがった。ところがお節介な宏兄がご丁寧に住所をメールしてきたのだ。
シュンちゃんの風邪をお母さんにリークしたのも宏兄だろう。こんな時ばかり抜かりない。


そうしてシュンちゃんのマンションにたどり着いたわけなんだけど。



「何ここ・・・」


宏兄が教えてくれたそこは、駅前5分の好立地。建って数年程であろうキレイなエントランスのタワーマンションだった。しかも部屋番号からいって、かなり上層階だし。

「一介の係長が何でこんなとこ住めるのよ」

出世街道まっしぐら!とは思ってたけど、それでもまだ係長だ。とてもじゃないけど、こんな所に住める程とは思えないし・・・。

こっそり副業してる、とか?秘密主義だしあり得るかも!

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