あまのじゃくな彼女【完】
熱く少し汗ばんだ手がそっと私の顔に添えられた。そのまま両手で顔を包まれ、更に顔を近づけるよう引かれる。
手、熱いなぁ・・・とその熱に気を取られていると、もっと温かい熱が自分の唇に当てられていた。
「んっ・・・ぁ、ちょっ・・・シュン・・・ふぁっ」
最初は触れるように当てられていただけだったのに、その熱をまるで私に分け与えるかのようにシュンちゃんの舌が私の口の中を探る。水音を鳴らし徐々に深くなっていくそれを受け入れるのに必死で、いつのまにか私の方が息があがっていた。
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
つぅっと糸を引きながらようやく解放される。熱のせいじゃなくあがる呼吸を整えようとするけど、なかなか収まらない。束の間解放されていた手は再び熱い手で掴まれ、熱の主は力尽きたようにドサッっとベッドに倒れこんだ。
「お前は・・・どこにも行くな」
それだけつぶやくと、混乱する私をよそにシュンちゃんは深い眠りへと戻っていった。