あまのじゃくな彼女【完】
「大方、同期の澤田さんが結婚するからなんとなく良いなって思った位だろ?結婚というよりは、ドレス着てみたいな・・・位で全然その気はない。彼氏なんていないし、正直言って断るのが面倒だったってとこか」
「んなっ・・・!!なっ・・なに人の心読んでるんですかっ!!」
なんだか失礼な物言いながら、言い当てられて動揺する。
何でたった一言でそこまでわかっちゃうんだ、この人。
ってかあれ、いつもと口調・・・変わって、る?
「うん、吉村さんわかりやすい。手に取るようにわかる」
ふんわり笑顔を保った高遠は、ジリッとさらに近づいた。
なんでこんな距離感無いんだ、なんて疲れた頭で考えるより先に、その距離数センチまで顔を近づけられ
「だから俺にしときなよ」
顔の右側に腕が伸び、芽衣子の背中側の壁に着く。ふわっとねこっ毛あたまが近づき、やさしいけど少しスパイシーな香りに気づくと
高遠の温かな唇が、芽衣子のと重なっていた。