あまのじゃくな彼女【完】
正直これ以上巻き込まれるのはうんざりだ。見なかった事にしてとっとと帰ろうと視線を戻そうとした時、
「んもう、仕事なんて明日でも出来るでしょう!」
そう言って服をつかみ、顔を少し傾け甘えるように話しかけた。
サラサラのロングヘアにピンヒール、あの甘えるように傾けたきれいな顔。
一瞬にしてその姿がフラッシュバックする。
これは・・・気づいちゃいけなかった。
慌ててその場を離れようとした時、なぜこんな時だけ私に気づくんだろう。
「あ、め・・・吉村!!」
名前を呼び間違えるほど慌てているらしい係長。要望にお応えして、部下として助けてあげようかという気にさせられる。