あまのじゃくな彼女【完】
2* 秘密、知る
1:
朝の冷たい空気に気持ちがシンとしずまる。
ぐっっと髪を結い上げ着替えると、一礼と共に道場に入った。
神棚に向かう頃には気持ちが引き締まる。
二拝礼、二拍手、一礼
失礼します、お掃除させていただきます…の気持ちを込めて。
「よしっ」
と気合いをいれ、とりかかった。
はたきで埃を落とし、清めた手拭いでふきあげていく。
毎日の事だから、手拭いも殆ど汚れはしない。
お水、お塩、清酒、榊を取り替える。
神棚の掃除は、お兄ちゃんと交代で毎日させられた。
子どもの頃は、何でこんな面倒な事しなきゃいけないのか全く理解出来なかったけど。
大人になり社会人になってからは、朝のこの時間が好きだった。