あまのじゃくな彼女【完】
ふっ・・・と鼻で笑いそうになるのをぐっと堪え、
眉毛をやや下げ、少し目を潤ませた。
男がどや顔なのは無視して続けた。
「ありがとうございます。でも・・・ごめんなさい。
お付き合いしている人がいるので」
「・・・ちっ・・・そう。それじゃ」
大して落ち込む様子もなく、飄々と部屋をでる男を見送った。
ガチャッ・・・コツコツコツ・・・
遠ざかる足音を確認し、ぶちっと堪忍袋の緒が切れるのを許した。
「・・・んだ、あの男ぉぉ!!仕事の邪魔すんじゃないわよぉぉ!!」