あまのじゃくな彼女【完】
ぽかんとしていた由梨の顔も話を終える頃には、ニヤニヤと面白がる顔へと変わっていた。
「あらまぁ芽衣子ったら、相変わらず〝シュンちゃん”に守られてるのねぇ」
由梨に心配かけちゃうのが分かっていたから、かいつまんでしか話さなかった。
係長の口添えで森枝がスタッフから外れた事。撮影中気分が悪くなったところを助けてもらった事。
嘘つくとすぐバレるから、〝嘘ではない”言い方でごまかすしかなかった。
由梨に心配かけるのが嫌っていうのも本当。
でも話を省略したのは何より、一番大切な事を由梨には話さないといけないと思ったから。
「もう終わりにしなきゃいけないの・・・守られるのも」
自嘲気味に笑う私を、眉をひそめいぶかしげに見やる由梨。