あまのじゃくな彼女【完】
「吉村さぁーんっ!!」
〝満面の笑み”ってこういうのを言うのか。
笑顔でデスクへと駆け寄ってきた伊達君の後ろには、わんこの尻尾が見えそうだ。
「聞いてくださいよぉ!ようやく、よぉーやくOK出たんです!!」
「えっ、黒澤さんの?」
そうなんですーと両手を掴まれると、そのまま万歳の姿勢にされ喜び跳ねる伊達君につられる。
「ほんと、あの人すごいですよぉ。舞原さんもタジタジって感じで。でもおかげで凄いの出来ました!」
「そっかぁ良かったね、お疲れ様」
達成感に浸る伊達君をねぎらうと、ふにゃりと可愛らしい笑顔で返してくれた。