あまのじゃくな彼女【完】
会議室ばかり集まったフロア、VIPがいると思しき部屋からは笑い声が漏れている。お茶やお茶菓子を持って忙しなく出入りする総務が見え、大変そうだなぁと他人事のように見ていた。
いい気分転換だ、と課長の言いつけを受けてきたものの。おそらく相当大変な片づけだろう。
綾江さん見たさに相当数の重役が顔を出しただろうし、スクリーンとテーブルセットと給湯室と・・・
片づけの段取りを考えるだけで、うんざりとしてきた。これも運動だと思ってやりきるしかないだろう。
はぁ・・・と深いため息をつき躊躇なく会議室の扉を開けると、
「納得できないわ!隼人にはそれなりのポジションがあるでしょ!?」
美しい顔をゆがませ叫ぶ綾江さんと、それを正面から冷静に受け止める係長が居た。