あまのじゃくな彼女【完】
係長、私には一度も視線を向けなかった。
ほっとするような、寂しいような。そんな勝手な気持ちの交叉で心が揺れ動く。
「なんなのよ、あなた・・・」
私の自分勝手な心を見透かすように、綾江さんが私を睨みつけた。それはさっきの黒い感情だけの物とは違って、どこか悲しい・寂しいような顔にも見えた。
「いつもいつも隼人のお荷物にしかならないくせに、なんで離れないのよ。私なら・・・隼人を支えてあげられるのにっ・・・!」
艶やかでキレイな唇をグッと噛みしめると、私を睨みつけたまま言い放った。