あまのじゃくな彼女【完】

コンコン


フロアで一番重厚で大きな扉をノックするとすぐに扉を開けた。



「おい隼人、返事ぐらい待てんのか」

「すみません、社長。急ぎでお呼びかと思いましたので」


さっきのオヤジと同様取って付けた笑顔で返すが、この人はそんな事気にも止めない。
チラッと顔をあげたかと思うと、再び手元の書類へと視線を戻した。



重厚感のあるダークブラウンの一枚板のデスクはよく片付いており、ペン１本とっても少しも乱れなく置かれている。神経質な彼らしいデスクだ。

そのデスクの前にすっと立つと、社長が顔をあげるのを待つことなく用件だけ伝える事にした。