あまのじゃくな彼女【完】

「企画がうまくいくか、否かなど今回の成果を見れば判断出来る事だ。お前が見守る必要などない。それより、いい加減自分の立場を理解したらどうだ」


ようやく手をほどいたかと思えば、今度は両腕を胸元で組み威圧感は増すばかりだ。





この人も昔はこんなんじゃなかった。


幼い俺の言葉にもニコニコと耳を貸し、面白い事があると「すごいな、隼人!」と誉めながらガシガシと少々乱暴に頭をなで回すのが常だった。
それが好きで誉めてほしくて、勉強もスポーツも頑張ってた。

コーエンを好きになったのもこの人のおかげなのに、今はこの人のせいで会社への嫌悪感ばかりつのる。




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