あまのじゃくな彼女【完】
周りを疑いたくなるような環境の中で、わざわざ女を作ろうだなんて思わなかった。
そう、今までの俺は。
「黒澤のお嬢さんから聞いてる。吉村、とかいう女子社員にお前が妙に構ってるそうじゃないか」
「なっ・・・!誤解です。単に幼馴染みの妹というだけで、きちんと上司として接しているつもりです」
図星を付くように名指しされ、思わず取り乱す。
だけど嘘はついていない。社内では他の部下となに隔てなく“吉村”と接しているつもりだ。