あまのじゃくな彼女【完】
「お前がそうしているつもりでも、黒澤さんにはそうは見えないそうだ。その女子社員がいるから、お前が係長の座から離れないのではないかと」
「そんなの綾江の言いがかりだ!伯父さん、勝手な憶測はやめてください」
綾江の奴・・・すっかり社長の手先じゃないか。
綾江の主張が社長の口から出た事に驚く。
人の話を簡単に鵜呑みにするような人じゃないはずなのに・・・それほど綾江を信用しているという事なのか。
何事か思案するように片手であごをさすると、社長は片方の口角をほとんど分からない位に上げた。
「“伯父さん”・・・と言ったか?」