あまのじゃくな彼女【完】
「あっ、やっぱりここだぁ!先輩たち探しましたよぉ」
廊下の寒さをしのぐように肩からストールを羽織った千葉さんがひょっこり現れた。
質のよさそうなストールは品のあるベージュピンクで、彼女のキレイ系の格好にとてもよく合う。
「もうメールしたんですよ!2人とも気づかないんですから。あ、こっちですー」
可愛らしい顔をくるくると動かし先輩にお小言をこぼしたかと思うと、千葉さんは自分の背後の方へ手を振った。
「芽衣子さん探してて、由梨さんも居なかったんでココかなって」
ふふっと得意そうに微笑む千葉さんは、いつも私たちがこの自販機コーナーで一息つくのを知っている。
2人セットでいないとなれば、探すのは容易だったのだろう。
「いましたよーほら」
腕を組み得意そうにふふんと笑う千葉さん。
コツコツと足音が止まると、その主は様子を伺うようチラりと顔をのぞかせた。