あまのじゃくな彼女【完】
「何もない事ないだろ!綾江が妙な事言ったんだろうけど、アイツはなんも関係ない。ただの同級生、それだけっ」
私のそっけない返事が癇に障ったのか、シュンちゃんは苛立ちを隠そうとしない。
荒げた声に思わずビクッとするけど、それで怯むわけにはいかない。
「妙な事ってなによ、事実でしょ!綾江さんとシュンちゃんがホテルの前に居たのだって見たし今更隠さなくっていいよっ」
「あ・・・っあれは、違う。綾江とはそんなんじゃなくって」
私を睨んでいた目が一瞬揺れた。そのシュンちゃんの明らかな動揺に私の怒りは増す。
何を今更、白々しい!
綾江さんがいながら、あんな・・・あんなのって無い。
「もういい、シュンちゃんが綾江さんと付き合っていようが・・・会社継ごうが、私には言えないだけでしょ?もう・・・いいよ」