あまのじゃくな彼女【完】

4 :


清々しいほどの秋晴れの空。
大きな決意を後押しするかのように、澄んだ空気が心地よい。

気合を入れて下ろした新しいパンプスを軽やかに鳴らせば、気持ちも引き締まる。


数日前とはまるで違う、晴れ晴れとした気持ちでエントランスをくぐった。



自分のフロアでエレベータを降り、オフィスへいつも通りの時間に着く・・・その時。

「芽衣子っ!!」




オフィスの入口から慌てて走り寄る由梨。


無言でぐいっと腕を掴まれ、少し離れたところに寄るよう促される。

「んもぉっ・・待ってたのよ」

「え、あぁごめん」

いつも通りの時間。怒られる理由はないのだけど、由梨の気迫に負けて自然と謝罪の言葉が出た。




< 257 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop