あまのじゃくな彼女【完】
4 :
清々しいほどの秋晴れの空。
大きな決意を後押しするかのように、澄んだ空気が心地よい。
気合を入れて下ろした新しいパンプスを軽やかに鳴らせば、気持ちも引き締まる。
数日前とはまるで違う、晴れ晴れとした気持ちでエントランスをくぐった。
自分のフロアでエレベータを降り、オフィスへいつも通りの時間に着く・・・その時。
「芽衣子っ!!」
オフィスの入口から慌てて走り寄る由梨。
無言でぐいっと腕を掴まれ、少し離れたところに寄るよう促される。
「んもぉっ・・待ってたのよ」
「え、あぁごめん」
いつも通りの時間。怒られる理由はないのだけど、由梨の気迫に負けて自然と謝罪の言葉が出た。