あまのじゃくな彼女【完】
私の両肩に手をのせると、由梨はまるで気を落ち着かせるかのように長く息をはいた。
「いい?ちゃんと聞くのよ」
鬼気迫る顔に自然と頷く。
「係長、もうここには来ないわ」
「えっ・・・?」
訳が分からず思考が停止する。
必死に理解しようとするけど、それすら勝手に頭が拒否するようだった。
「新規の販売ルート開拓で、先方とどうやらトラブルみたいで。それに係長も来てほしいって、急遽海外出張。そしてそのまま異動・・・だって」