あまのじゃくな彼女【完】
「隼人の異動の事、後押ししてくれたのあなたなんでしょ?ありがとう」
「え?いや、私は何も・・・」
後押しするどころか、勝手に1人で拗ねて突っぱねて。ろくに話も聞かずに逃げただけだ。
自分の幼さに腹が立ち、無意識に唇を噛む。
「何も?アイツが異動を受け入れるなんて、一体・・・」
私の渦巻く感情をよそに、綾江さんは1人腕を組み考え込んでいた。
うーんと唸り眉をひそめたかと思うと
「まさか・・・あの狸オヤジっ・・・!」
綾江さんは急に声にならない声を叫ぶと、地団駄をふんだ。