あまのじゃくな彼女【完】
社長が聞きたいのはそんな事じゃない。
気合いを入れるよう息を吐くと、意を決して話始めた。
「隼人さんには感謝しています。今も昔も、いつも支え助けてもらいました。当たり前のようにして、私が彼に甘え過ぎていた・・・と今は思っています」
何も綾江さんの前でそんな事聞かなくてもいいじゃないか。
いや違う、彼女の前で話させる事が社長の目的なのかもしれない。私に釘をさす意味で、彼女に私を案内させたのかも。
正面から社長を見ていたのも、徐々に落ち込む気持ちと一緒で顔が俯いてしまった。
「綾江さん・・・にも、申し訳ないと思っています」