あまのじゃくな彼女【完】
凝視していたファイルをようやく閉じると、順にしまいながら部長は話し始めた。
「すまないね、ちょうど調べ物をしていた所だったから」
それでも背を向け一向にこちらを見ない部長に苛立ちつつ。同時にこの場を逃げ出してしまいたくなる。
「上から聞いてますよ、強い希望での異動だとか。今日からの配属でしたね、えぇと・・・」
その時は来た。
「本日付で海外事業部へ異動となりました、吉村芽衣子です。よろしくおねがいします・・・高遠部長」