あまのじゃくな彼女【完】
あてつけるように至極丁寧にお辞儀すると、にっこりと営業スマイルをお見せした。
ようやくこちらを見たシュンちゃんの顔は目を見開いたままかたまり、私をきちんと捉えているのかすら怪しい所だ。
「んっ・・・なっ!!」
うまく話せない程に取り乱した彼をこれまで見たことない。
どんな時でも冷静沈着、それが彼の取り柄のはずなんだけど。
そんな彼の様子に何だか楽しくなって、思わず笑いが零れた。
「なんで、めいがココにいるんだよ!もっ・・・な、意味が分からん」
よろよろとデスクに寄りかかり頭を抱えると、シュンちゃんは思いつく限りの想像をしているようだった。
だけどどれだけ逡巡したって答えは出ないようで、気難しい顔で固まったっきりだ。