あまのじゃくな彼女【完】
「めいに話せなかったのは、他の連中みたいに変わって欲しくなかったから。ほとんどの連中が媚びうってきたり、疎遠になったりしたからな」
「何勝手に決めてるのよ。物心つく頃から一緒なんだよ?今さら変わりっこないよ」
「確かに勝手だよな、ごめん」
シュンちゃんは私の言葉に「もっともだ」と笑うと、ゆっくりと身体を起こした。
「綾江とは・・・ずっとただの同級生だ。ただ・・・その、助けてもらってた」
「何を・・・?」
「・・・別れるのに、“彼女の役”を」
「はぁあっ!?」
気まずそうに尻すぼみになるシュンちゃんの言葉に耳を疑う。
人が一世一代の決心をしてきたっていうのに。
そういえば〝いい加減な男”って秘密、聞いたんだった・・・とひきつる顔で思い出す。