あまのじゃくな彼女【完】
「でも、私係長とプライベートな話なんてしたこともないし。他の女子社員との方がよっぽど話すでしょ?ほら、千葉さんとか」
「あぁ、あれは違うでしょ。勝手に千葉が話しかけてるだーけ!千葉だけじゃないわよ。あんな有望株、独身女子がほっとくわけないでしょ」
確かに係長はもてる。
仕事も出来るし、カッコいいし、優しいし。
社内の独身女子のほとんどが、結婚相手候補に挙げてると言ってもいいだろう・・・私を除いて。
「まぁきっかけは何であれ、高遠係長なら文句ないわ。ちょっと頑張りなさいよ」
「無理無理無理無理!!第一、付き合ってもないのにキスするのよ!?そんな軽い男やだ」
「キスの1つや2つ、この際いいわ!あんた恋愛になると妙に強情になるんだから、それ位強引な人の方がきっといいのよ。優しいし、かっこいいし、仕事できるし、それでちょっと強引?何それ、出来過ぎだわ係長」
「そうなの、出来すぎなのよあの人!だからうさんくさくて嫌なの!!私はもっと人間味があって、懐のあったかーい人がいい!!」
「はぁ?贅沢言ってんじゃないわよ。懐って財力の事言ってんじゃないでしょうね?だったら、エリートコース行ってんだから間違いないわよ」
「ちっ・・・ちっがーう!!」