あまのじゃくな彼女【完】
由梨と別れる頃には、げっそり疲れ果てていた。
本当なら「勝手にキスしやがって!!」って一緒に怒って欲しい所。
干物とかしてる親友の行く末を案じてか、由梨は完全に係長推しだ。
「係長の正体とかどうでもいいからプロポーズ受けてしまえ!」
とか適当な捨て台詞を吐いて、由梨は翔さんとの待ち合わせに向かった。
夕飯まではまだ時間がある。
せっかく駅前まで来ておいてなんだかもったいないし、ひとまず高遠係長を脳内から排除すべく洋服でも見に行くことにした。
そろそろ薄手のジャケット欲しいな。
仕事中は制服だからいいけど、朝の通勤時はだいぶ涼しくなってきた。
仕事用のパンプスもすり減ってきたし、そろそろ買い替えよっかな。
買い物モードに頭を切り替えると、自然と気分も上昇してくる。
こういう時だけは、やっぱり私も女子なんだなーってちょっと思う。