あまのじゃくな彼女【完】
「なにー?千葉ってばまた芽衣子んとこ来たの?」
隣の席に座ったまま、由梨が顔だけ寄せて話しかけてきた。
「データの場所聞きにきただけだよ。自分でやってって言ったし」
「あの子本当は超パソコン得意なんだよ。それくらい検索できるって。あれは芽衣子に押し付けようとしてたんじゃないの?」
「え、そうなの!?」
千葉さんめ。男性社員だけでなく私まで利用するとは。
「こないだ私、エラー解除手伝ってもらったもん。だから私の所には来ないってわけ」
「仕事できないってわけじゃないのにね、千葉さん」
どちらかと言えば要領よく仕事をこなす千葉さん。
残業も少ないし、お願いした仕事は遅れずこなせてる気がする。
だからたまに男性社員に助けられてても、新人だしな・・・って位にしか思ってなかった。
「あの子は仕事っていうより結婚相手探しに来てるのよ」
ふんと鼻で笑うと、由梨は顔を再びパソコンの前へと戻した。