あまのじゃくな彼女【完】
「あら、芽衣子おはよう」
台所でことこと鍋を煮込む母の背中に、慌てて話しかけた。
「お、お母さん!わた・・・私」
「ずいぶん酔っぱらってたみたいねぇ、あなた。ぐっすりだったわよ」
「私、昨日どうやって帰ってきたの?」
ここまで来て気づいた。ちゃんと自分の部屋に寝てた。しっかりルームウェアにも着替えてる。
「もう何言ってるのよ、タクシー乗せてきてもらってたじゃないの。全く、いくら気心しれてるからってご迷惑でしょう。ちゃんとお礼言っとくのよ」
あぁぁぁ・・・
ガクッと音がしそうなほどにうなだれると、昨日の事を思い出した。