あまのじゃくな彼女【完】


相変わらずオフィスは忙しく昼休憩も短縮。その分、由梨と一緒にお茶休憩をとることにした。



フロアの端にある自販機スペースは当然自社製品がおいてある。非常口横のコーナーは、何ヵ所かある中でも規模が小さいからか利用者が少ない穴場。私と由梨のお気に入りの場所だ。


「・・・というわけなのよ」


「何それ!こっちが強く言えないの分かってて迫るなんて、最低なオヤジね。芽衣子一発ぶん殴って良かったのに!!」


なんせ多忙な月曜日。ようやく由梨に、料亭でのセクハラ騒動を報告することができた。



「まぁ未遂に終わったし。結局価格交渉には応じてくれたみたいよ」

「当たり前でしょ。これでまだごねるとかあり得ないわ。んま、あとは山下さんがうまいことやってくれるでしょ」

これでCM企画も一歩前進する。更に仕事で忙殺されるであろう日々を想像し、自然と気合が入った。






「あ、いたいた。澤田さん、課長が呼んでるよ」

「あっ、データチェックお願いしてたんだった。すみません、すぐ行きます!ごめん芽衣子、お先!」


由梨は持ってたブラックコーヒーをくいっと飲み干すと、芽衣子へ意味ありげなアイコンタクトを残しオフィスへ戻っていった。





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